[COSMICworld]

基本的に音楽のことを駄文でつらつら綴るだけです。たまに思ったこととかポロポロと。

バズマザーズ新曲『敗北代理人』が個人的にドツボだったから色々書く

youtu.be

 

いや良すぎ。

ずーっと聴いてるもん。

 

隅から隅まで良いので、ひとつずつ言っていきたいのですが、いかんせん言葉をまとめるのが下手なもんで、雑多な文章になると思いますが許して。

 

〇MVの素晴らしさ

曲や歌詞の素晴らしさは言うまでもなく最高ですが、MVの素晴らしさよ。

パジャマ姿の山田亮一が色々なものを手にしますが、どれもこれもすぐに捨ててしまう(というより興味がない)のですが、唯一、道中にあるギターは捨てずに肩にかける。

するとバズマザーズのメンバーが出てきてみんなで演奏する。

 

そしてまた山頂に向かってギターを弾きながら歩き出す。

 

この!素晴らしさよ!!

 

音楽と共に歩んでいくというMV…感涙。

 

頼むからずっと音楽を鳴らし続けてくれ。

 

 

〇歌詞の素晴らしさよ

 

誰も海の広さ等、漠然としか知り得ないし

井の中一生を終える蛙程、自分と向き合う事もない

宇宙遊泳の代替え案として、俺は山頂を目指している

それでも繰り返す一歩一歩が、尊厳めいた感情を成している

 

何処へなんて、構わないで、飛び出して行く

俺が俺を挫く前に 時の峡谷、痛みの雪崩、憎悪の渓流、

越えて遠く続くクライミング

 

予算内で選んだ駄菓子分、背負う物に空いた隙間に

一体何を詰め込んでいるかで、人間の値打ちは解るもんさ

噛ませ犬程の戦績も、野良猫程の自由もない俺は、

何を持って来たんだっけ?云いかけて頬の裏を噛んだ

 

何処へなんて、構わないで、飛び出して行く

巣窟暴かれた蟻の様に 時の峡谷、痛みの雪崩、憎悪の渓流、

越えて遠く続くクライミング

 

「どなた様もお気軽にどうぞ。何かとお忙しいのでしょうし」

その看板は唐突にそう始まって

「冥福の前借りにすがる前に、どうか私をお訪ね下さい。敗北、請け負います」

 

辛うじて解るのはその一文と、おそらく血で書いた文字だって事

辺りにそれらしき人はおらず、セルロイド味の畏怖を覚えるも

道中、粉砕したピッケルの柄と、厚紙ででっち上げた憫然たる其れを

何に役立つ訳でも無いが、捨て置く事が出来ない其れを、土台、届かない空に掲げる

 

誰も主人公で風景さ、轟音の水槽の中で

性別も人種も無くなっていく、少しずつ、少しずつ、少しずつ

 

 

何度も言いますが、山田亮一の書く詞はもはや小説のそれです。

色々な文学ロックと呼ばれる音楽がありますが、山田亮一が頭一つ抜けて文学ロックの頂点だと思います。私はね。

 

私は現国5なので大丈夫ですが(数学は2)、現国2の方にも分かりやすいように、初めに言葉の意味を書いていきましょうか。

 

尊厳【そんげん】

とうとくおごそかなこと。気高く犯しがたいこと。

 

挫く【くじく】

1.異常な力がかかって、関節部を痛める。「足を―」

2.勢いをそいで弱くする。

 

峡谷【きょうこく】

幅の割に、深く、きりたった細長い谷。深い谷。

 

渓流【けいりゅう】

谷川。その流れ。

 

冥福【めいふく】

死後の幸福。

 

セルロイド【せるろいど】

硝酸セルロースに樟脳(しょうのう)を混ぜて熱し圧縮した物質。燃えやすい。おもちゃ・文房具などに用いられた。

 

畏怖【いふ】

恐れおののくこと。

 

憫然【びんぜん】

哀れむべきさま。かわいそうなさま。

 

 

これらを踏まえて、もう一度歌詞を読み返してみてください。

 

宇宙遊泳の代替え案として 俺は山頂を目指している

それでも繰り返す一歩一歩が 尊厳めいた感情を成している

 宇宙にいけるのは限られた人のみですが、山頂を目指すのは諦めなければ誰でも目指せます。

誰でも目指せるけれど、それでも繰り返す一歩一歩が自分自身を気高いものにしている。

 

何処へなんて、構わないで、飛び出して行く

俺が俺を挫く前に

時の峡谷、痛みの雪崩、憎悪の渓流、越えて遠く続くクライミング

 さて、この山登りですが、実際に山登りをしているわけではなく、比喩表現としての山登りなわけであります。

MVの説明で音楽と共に歩んでいくという表現をしましたが、つまりそれです。

何処へ行くかなんて分からないまま飛び出す、自分で自分にストップをかける前に。

時の峡谷、痛みの雪崩、憎悪の渓流、これらは人生を歩んでいく中で切り離せないつらい部分ですね。

時間はあっという間に過ぎていくくせにその重さは深すぎて底が見えないし、痛みは雪崩のように襲ってくる、憎悪もすごいはやさで流れてくる。

自分自身の嫌な部分や、時間のはやさに向き合いながら、越えて遠く続くクライミング(山登りだから)

 

予算内で選んだ駄菓子分、背負う物に空いた隙間に

一体何を詰め込んでいるかで、人間の値打ちは解るもんさ

遠足を思い浮かべると分かりやすいですね。

予算内(私の小学校は300円でした)で選んだ駄菓子の他に、リュックに何を詰めるか。

ここでも、本当に何を詰めるかということではなく、比喩として、何を詰めるかという話ですね。

 

夢や希望といったキラキラしたものから、妬みや恨みといったドロドロしたものまで、リュックに詰めた駄菓子分以外の隙間(リュックの大半の部分)に何を詰めるかで、人間の値打ちは解るもんさ。

 

それと、予算内で選んだ駄菓子とは何を指すのか?というところですが、予算内で選ぶということから最低限自分で選ぶもの。(駄菓子ですし)

高校や大学のように、予算内(家の事情、学力等含む)で選べるものということだと思いますが…どうでしょうか??

 

噛ませ犬ほどの戦績も、野良猫ほどの自由もない俺は

何を持ってきたんだっけ?云いかけて頬の裏を噛んだ

さて、上で「人間の価値が解るもの」として、山田さんがリュックに詰め込んだものは何だったのでしょうか?

何を持ってきたか考えて、頬の裏を噛む(何も言えない)

 

私の憶測にはなりますが、きっと彼は何も持ってきていなかったのでしょう。

人生という山登りに持ってきたのは駄菓子だけ。

これでは普通絶望してしまいますが、

何処へなんて、構わないで、飛び出して行く

巣窟暴かれた蟻のように

ええい!!行ってしまえ!!巣窟暴かれた蟻のように(めっちゃ飛び出してくるアレ)

 

「どなた様もお気軽にどうぞ。何かとお忙しいのでしょうし」

その看板は唐突にそう始まって

「冥福の前借りにすがる前に、どうか私をお訪ねください。敗北、請け負います」

辛うじて解るのはその一文と、おそらく血で書いた文字だって事

辺りにそれらしき人はおらず、セルロイド味の畏怖を覚えるも

道中、粉砕したピッケルの柄と、厚紙ででっち上げた憫然たる其れを

何に役立つ訳でも無いが、捨て置く事が出来ない其れを、土台、届かない空に掲げる

 

ここでようやく曲タイトルである「敗北代理人」っぽい表現が出てくる。

しかし、辺りにそれらしき人はいない。

あるのは「敗北、請け負います」といったことが(おそらく)血で書かれた看板だけ。

もしかするとこれは「敗北請負人」が残したものではないか。

 

 

敗北とは何を指すか?

この曲は何度も言っていますが、音楽と共に歩む山田氏の人生であると考えます。

となると、この道中にある看板は一体何なのか?

自分の人生の山登りをしているのに、どうして他に人がいたかのような描写なのか?

 

山田氏は現在のバズマザーズを結成する前はハヌマーンというバンドを組んでいました。

大阪を中心に活動し、メジャーあるかも?と噂話がされる頃解散が発表されました。

解散の本当の理由は分かりませんが。

 

もしかすると、山田氏はここで一度死んでしまったのかもしれません。或いはそれに近い心情になったのではないかと。

だから道中に誰かがいた形跡がある。と考えます。

 

MVではパジャマ姿の山田氏が起き上がってまた山登りを始めていますが、そういうことなのでしょう。

いちからのスタートというか。

 

だから、音楽人生の途中に、何か不穏なものがある。

敗北請負人とは、ハヌマーン時代の山田氏を指すのではないかと考えます。

 

『冥福の前借りにすがる前にどうか私をお訪ねください。』

冥福の前借りとは、冥福=死後の幸福 ということを考えると

自らこの人生に終止符を打ち、また新たな人生を歩もうと考えている状態のことを言うのではないかと。

そういうことを考える前に、俺の曲を聴いてみてくれよ。

俺も敗北者だからさ。

ということを伝えたかったのがハヌマーンだったのではないかと思います。

 

しかし今は辺りにそれらしき人はいません。

その光景(?)にセルロイド味の畏怖を覚える。

このセルロイド味の畏怖とはどういうことか。

セルロイドについて調べていくと、ピックに使われていたり、セルロイドの成分ニトロセルロースはギターのラッカーに含まれていたりと、なにかとギター周りで重宝されているみたいです。

普段わたしたちはセルロイドを口にすることはないのでセルロイド味と言われても…って感じですが、バンドマンはピックを咥えますよね~

なのでセルロイド味の畏怖とは、なにか味わったことのある恐怖。

ここでハヌマーンの山田亮一は力尽きた、もしかしたら今の俺もここで…。という感情ではないかと思います。

 

しかし、覚えるも。です。

恐怖を感じたがしかし。です。

 

道中、粉砕したピッケルの柄とありますが、これも本当の登山用のピッケルを指すのではなく、山田氏の音楽人生の山登りにおけるピッケル

ギターのことではないかと思います。

 

厚紙ででっち上げた貧相な看板(ハヌマーン時代の山田氏が血で残したもの)と、ギターを見つけ、それを捨てられない。

何に役立つ訳でもないけど、持っていこうと決意します。

 

土台、届かない空に掲げる。

土台とは過去のこと。

※追記(2018/06/14)

コメントにて土台とは普通に「そもそも」という意味ですよと教えていただきました!確かにそっちの方がきれいですね!

>そもそも、届かない空に掲げる。

ここの土台は本当に1番悩んで、無理やり自分の中でつなげた感じだったのでスッキリしました~!

勉強不足です、、ありがとうございました!!

 

そもそも届かない空にギターとその看板を掲げる。

少しでも宇宙に近づくように。或いは(或いはばっかりやな)空から俺が見えるかというように。

 

ついでに土台と「どうだい?」をかけてるとも思います。

 

ではハヌマーン時代の山田亮一が「敗北請負人」ならばタイトルの「敗北代理人」とは誰のことか?

 それは現在の山田氏がハヌマーン時代も背負っての「敗北代理人」と名乗って(?)いるのではないかと思います。

敗北請負人は、敗北代理人になりましたよ〜いうてね。

 

さて最後ですね。

『誰も主人公で風景さ、轟音の水槽の中で』

誰しも自分自身は主人公ですが、自分以外の人からは風景である。

そういうもんである。

轟音の水槽とは、山田氏の音楽そのもののこと、またライブハウスでの演奏の両方だと思います。

 

ハヌマーンの曲に「比喩で濁る水槽」という曲があるのですが、轟音武装して彼と只、目を瞑って歩いている。という歌詞がある。タイトルと歌詞を組み合わせて轟音の水槽となっているのか、

ただその言葉の響きが好きなだけなのか(笑)

またその後に

『性別も人種も失くなっていく』と続くことから、音楽のことを指すだけではく、ライブハウスでの演奏、熱、それらが人を人でないもの(良い意味でね)にしていくという情景を歌っているのではないかと思います。

山田氏からの風景がそうなんじゃないかなっとも思います。

 

まだまだ人生の山登りは続いているっていうのを最後ライブハウスでいま歌っているということに被せて(?)るのではないでしょうか。

 

 

〇まとめ

長々と乱文散文で結局どういうことだ?となりますが、つまりこの曲は「ハヌマーンがあってバズマザーズがある。山田亮一はその両方から出来ている」ということを言いたかったんです。

歌詞が文学的すぎて、国語の授業みたいになってしまった。

ちなみに冒頭で現国5と言いましたが、授業で習ったことが出来ただけで、授業中「ふむふむ、つまりここはこういうことだな!!」と自分で考えたところは全然違う答えだったということしかなかったので、この解釈は的もびっくりするくらいの的外れかもしれませんがあしからず。(元弓道部だというのに…)

私はこう考えたよ!!知らんけど!!!ってことです。

 

一度曲を聴いてみて、自分なりの答えを出してください(投げやり)

 

まあとにかく、「敗北代理人」最高!!うっひょ~~!!!

新曲ありがとおおおおおお!!!!!!!!

 

 

 

  

ムスカイボリタンテス

ムスカイボリタンテス